2010年7月2日金曜日

西遊妖猿伝 2巻入荷


このメンツ!このやり方!てな感じで


西遊妖猿伝 2巻入荷しました!




10年以上にもわたる超大作!


全巻そろえております。


是非是非施術中に読んでくださいませ!




2部に舞台は西域にうつっています。




「西遊妖猿伝 西域篇(さいゆうようえんでん さいいきへん)」第2巻です。
講談社さんのモーニングKCにて刊行されています。

作者は諸星大二郎先生。
本作第1巻をはじめとした諸星先生の他作品は「諸星大二郎」のテーマにて紹介しておりますので、そちらもあわせてご参照くださいませ。

第1巻で謎の怪物と仮面の男に襲われた玄奘御一行。
仮面の男の正体は以前少しではありますが旅を共にした、ひげのおっさんでした。
悟空と玄奘の活躍によって彼を縛っていた事情も解決し、おっさんは改心して玄奘の弟子となることに。
事実上の名無しであった彼に求められ、玄奘がつけた名前は「沙悟浄」!
いよいよ本作に「三蔵法師と3匹のお供」が勢ぞろいすることとなったのです!!

地元(?)に詳しい悟浄の導きによって砂漠をとりあえず脱出し、オアシスへと近付いてきた一行。
道中、羊飼いの少年と出会い、近くに彼を雇っているこの辺りの地主の家があることを知った玄奘。
その地主は悟浄と一応の知り合いらしく、それを頼り今晩の宿を借りられないか頼むことになりました。

地主は一同を歓迎して宿を貸し、食事を振舞ってくれました。
ですが決して善人という訳ではなく、一行を歓迎したのも以前悟浄から値打ち物を安く買い叩いたうまみをまた味わえると思った物欲からでした。
さらにたくさんの愛人を抱え込んだり、挙句先ほどであった羊飼いの少年が羊を一匹見失ったまま帰ってきたことを怒って棒でひっぱたきまくり、その上暗くなっているにもかかわらず探しに行かせたりするのです。
そのわがままな行動を咎めたい玄奘ですが、悟浄の他人の家に余計な口出しをしないほうが良いとのアドバイスを受けてぐっと我慢して床につくのでした。

夜、地主の部屋に入っていく美女を見て、持ち前の助平心を発揮して出歯亀に向かう八戒。
ひとしきり覗いたあと、すきっ腹に何か入れるものはないかと勝手に人様のうちを家捜ししだします。
さすが八戒!文字通り絵に描いたようなすがすがしいダメ人間です!!
一枚のナンを見つけてむしゃむしゃやってると、門から先ほどの少年が羊をつれて入ってくるのが見えました。
お、羊見つかったのかとさらっと流す八戒、その足で今度は使用人の女の部屋に忍び込み、夜這いをかけようとするのでした!

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クズです!!!

その時間、起き出していたのは八戒だけではありません。
悟空もなにやら異様な気配を感じて動き始めていました。
その気配の出所は先ほどの少年と羊なのですが、悟空はまだそれを知らずに探り歩いています。
その気配を辿って行くと、行き着いた先は屋敷の一番奥の部屋。
バン、と勢いよく扉を開けるとそこから
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羊の化物が躍り出てきたではないですか!!
すわ戦闘、となるのですが、そこへ先ほどのいたずらが見つかり慌てて逃げてきた八戒とそれを追いかける使用人と犬までも姿を現します!
そんなことも知らず悟空と羊怪物は戦闘を続けますが、羊怪物は天井の梁にぶら下がるようにして部屋を破壊!!
大きな音が立ち、家中の人物が集まってしまったのです!

戦闘に巻き込まれそうになった八戒と使用人、逃げ惑って移動するのですが、そこで入った地主の部屋でもとんでもないことが起こっていました。
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惨殺された地主と美女、そして刀を持って仁王立ちしている少年がいたのです!!
驚き叫び声を上がる使用人。
その隙に少年はさっと駆け出して逃走!
更に急に飛び出してきた少年に驚いた悟空は羊怪物も逃がしてしまうのでした。

殺された美女は少年の母親でもあり、屋敷の住人は色めき立ちます。
少年が外から仲間を連れてきて地主もろとも殺したのだとか、八戒はなんで使用人の部屋にいたのかだとか、とにかく疑惑が持ち上がり放題の状態に。
その使用人も肝心の羊化物の姿をきちんと見ていないようで、怪物の仕業だということも解っていないようで……玄奘たちはどうにもいづらい雰囲気になってしまいました。
仕方なく悟空が1人で逃げ出した少年と羊怪物の存在を証明するものを持ってくると屋敷を出るのですが、当てがあるわけもなく、結局無為にさまようことになります。
ところがその目前に一匹の羊が現れました。
少年が探しに行った羊かと後を追うと、そこには
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1人の美少女が。
なにやら怪しげな少女ですが、彼女の案内についていくとあっさり少年を発見。
更に羊怪物までもが唐突に姿を現し、襲い掛かってきたのです!!
あっさりそれも撃破する悟空ですが、退治した瞬間怪物は古びた普通の羊の骸へと姿を変えてしまいます。
少女は何か知っているはずだと問い詰める悟空ですが、彼女ははぐらかして自分の祖父に聞いてみろと案内を続けます。
待ち受けていた少女の祖父はなにやら輪をかけて怪しげ。
怪物の手がかりが欲しいなら夜と昼の間が鍵だとアドバイスしたかと思うと、
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悟空に斉天大聖と呼びかけたのです!!!
悟空が斉天大聖だと知っているこの老人は一体何者なのでしょうか!?
羊の化物の正体は!?
多くの謎を秘めたまま、舞台は粟特城という街へと移動!
その街で玄奘たちはゾロアスター教のいざこざに巻き込まれるのです!!

というわけで新たなトラブルが巻き起こる本巻。
今度の敵はゾロアスター教関係ということで、今までとは毛色の違うカタカナな感じのキャラや怪異が続々と登場します。
その新たな敵はまたまた今までとは違い、悟空も玄奘も狙ってはおらず、あくまで自分たち本来の目的のためにちょっと利用しているだけな様子。
カヤの外感のある今回の騒動ですが、悟空の性格から行って渦中に巻き込まれないなんてことがあるはず無いでしょう!!
おなじみの一行が勢ぞろいして西遊記っぽさがましてきたかと思う暇もなく展開し始めた、またも西遊記から遠ざかった気のする展開に目が離せません!!

前巻より1年ぶりの刊行となった「西遊妖猿伝 西域篇」第2巻は好評発売中です!!
完結にはまだまだ続きそうな雰囲気がする本作。
1年1巻のペースということは、エンディングは相当先になりそうですが……



てな具合です^^河合